2022/07/08 14:39

数年前の東洋経済オンラインに、以下のような記事がありました。

郊外のショッピングセンターに出店しているアパレルショップが、
軒並み苦戦しているとの記事。


「グローバルワーク」などの個人的に好きなブランドなんですが
軒並み減益に…。



その理由に、

『商品の同質化が進んでいること』だと分析しています。



消費者に「ネット通販」が浸透したことで
売れ筋商品の分析が容易に。


下矢印


各シーズン中でも他社の売れ筋商品の類似品を
追加投入する企業が増加


下矢印


ブランド商品の同質化が進行


この流れが既に出来上がっているので負のスパイラルに。



そこで、どの商品も似たようなモノなのであれば、
消費者が選ぶ基準は非常に明確です。


つまり、『価格』です



どこの企業も自社ブランドを売るために値下げが必須。

先程の「グローバルワーク」を抱えるアダストリアという企業ですが、


前年比:売上は「9.4%増」にも関わらず、


営業利益は「66.4%減」増収ながら大幅な減益に。


ブランド商品自体を投げ売ったことで売上は取りあえず確保したものの、

全く利益は残らなかったことがこの数字から読み取れますね。



つまり、ここが大手企業の難しいところで、会社を継続する為に
ある程度の規模の経済が不可欠。


恐らくですが、


「このブランド商品を売り出せば、同業他社と価格競争だなぁ…」と

分かりつつ、大きい市場に切り込んでいくしかない訳なんです。

そして、待ち受けているのは「価格競争による減益のみ」のはず。



小規模サロンはこんな危険なところに手を出してはいけません。

しっかりと「ターゲットを絞りに絞って競争の無いニッチ」な市場を創出することで、

利益率の高いビジネスが展開できるからです。



当然ですが、売上の規模は小さくなりますが、

小さな市場を独占するだけでも、充分にサロン運営が出来ますので小規模サロンの特権なんです。


冒頭のアパレルの具体例ですと、

渋谷にある「#FFFFFFT(シロティ)さん」。

こちらは世界初の「白無地Tシャツ専門店」



この店舗の商品はすべて白色で無地のTシャツオンリー。

他の商品は一切ないです。これ思い切り振り切ってますよね~。



正直、わたしはシロティが大好きなのでとても興味があります。

是非、行ってみたいお店のひとつです。


ところが、わたしとは真逆に感じる人(シロティにまったく興味がない)も
たくさんいることでしょう。


このような感性の方は、ズバッと斬り捨ててしまっていいんです。


私同様に世の中には白無地Tシャツが大好きな人が一定数は必ず存在しており、

需要が少ないので、そんなに種類もないはずです。

きっと不満を抱いているはずと・・・。



このごく一部の人にとっては、白無地Tシャツだけが
たくさんあるお店なんて世界にたったココだけにしか無いので、


代わりのきかない唯一無二のお店なんですよ。



実際、「#FFFFFFT(シロティ)」はネット販売しておりませんので
毎週土・日曜日しか営業していないこともあり

常に長蛇の行列ができている人気店らしいです。

とてもわかりやすい弱者(小規模店舗)の生き残り戦略。



という話をしますと、必ず一定数の方が

「わたしのお店には唯一無二の技術や商材が無いんですけど…」と

むくれ顔をする人が想像できますが・・・。


そもそも、ここが大きな間違いなんです。


必要なことは、

「同業サロンに無い技術や商材を持っていること」ではなく、


「同業サロンが捨てられない何かを捨てること」なんです。



ごく一般的なサロンは、


「美容メーカーのシャンプーを置く


「シャンプーと合わせてコンディショナーも」


「どうせならコスメも」


などとお客様から少しでも売上の為に
色々な商品を置いてしまいます。



その結果、どこも似たようなサロンになってしまっているんです。



それに対して、


「#FFFFFFT(シロティ)」は白Tシャツ以外の商品、
他の商品を欲してるお客様も全てズバッと捨てたんです。



白Tシャツなんて手に入らないような
貴重なものじゃないですが・・・。

どこのお店にも必ずあるであろうごく普通のアイテム。



ですが、

そのごく普通のアイテムを他のアイテムを全て捨てることによって尖らせた。


ここで大事なのは


「ターゲットを絞りに絞って他のモノを捨てること!」

だという事を何となくでもお分かり頂けたでしょうか?



『お客様が離脱してしまう』ことを恐れていると


「出来る限り入口を広げて、多くの方に興味を持ってもらおう」

という思考におちいりがちですが。



逆にもっと視野を広げましょう。

だってそんなサロン店は、どこにだってありますよ。

どこにでもあるサロン店の中で勝ち残るには、


正直「値下げ」以外の方法は思いつきません。


一度、常識を捨ててみませんか。




 TODAY'S
 
要点チェック☑



チェック1 『社会の常識・非常識』と『サロンの常識・非常識』の違いはなんでしょう。


チェック2 貴方のサロン、唯一無二で勝負してますか。